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2006_08
22
(Tue)20:49

[tales/タイムカプセル・4]

これまでのお話はこちら↓
(1)(2)(3)

(4)
 どんな動機かは知らないが、ヒステリーまがいに食糧の備蓄を宇宙うみへ流してしまった……その事実が生活班から外へ漏れることはなかったが、戦艦において生命を脅かす一級の重罪であることには変わりない。
島大介と森ユキの嘆願にもかかわらず、下された処罰は『監禁』――決して軽いものではない。8日間の営倉入り――これでも10日のものが2日減じられた……というのはヤマトは戦闘空域を航行しており、いつ緊急事態が発生するかわからないからだ。のんびり犯罪人を監視している余裕は、本当なら、ない。
 それを告げた航海長の前でも、いまさらじたばたしたって仕方ないわね、という風で、ふんと横を向いただけ。
いくらかは事情説明を受けているのだろう戦闘機隊長――戦闘班副班長を(南部とともに)兼ねている加藤三郎が引き連れにきて、ヤマトにこんな場所があったのか、というような艦底に近い、艦尾の一室に閉じ込められた。とはいえ窓もあり、ビデオスクリーンやマイクロチップもあり、部屋から出られないことを除けば賓客と変わりない。
「入ってろ」
がしゃんと、戸が開けられ、扉を背にしてその小さな部屋に未祐は放り込まれた。


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2006_07
31
(Mon)01:10

[tales/タイムカプセル・3]

(2)はこちら

(3)

 「ユキ…」
ここん、とノックをした生活班長室に、森ユキはいた。
「来たのね……」
「ユキ…すまん」
島の口調がいつもとなんだか違う気がして、未祐はそれだけで何か不愉快な気持ちになる。もう生活班長は何が起こったか知っている口調だ。
それはそうだろう、古代チーフが告げ口しているだろうし、生活備品は毎日のようにデータを取り、計算して回しているはずだから。それがわからない自分ではない。バレないようにやっても、わずか1日だ。
 「貴女……棚橋未祐さん。航海班の」
「すまん――俺の監督不行き届きだ」
ふぅとため息をついて。その様子は憂いに満ちていてわざとでないとしたら、ズキンと憧れている男たちの心を揺さぶるには十分だ。
「島くんの責任じゃないわ――でも、なぜあんなところのキーロックが」
それぞれのセキュリティはかなり堅いものが設定されている。しかもリーダー自らカスタマイズしては、頻繁にパスワードを変えていく。特に備品の中でも食糧――生命を維持するための最重要事項、については艦長、生活班長と厨房チーフで生活班副班長の立場にある幕之内勉にしか知ることはできない仕組みだ。
 島ははっとした。
ふん、と棚橋は口の端で笑って。「そんなのわけないわ」と言った。
「棚橋はコンピュータの天才だ。……暗号を解除するのはゲームだと、以前…」
「ゲームにもならなかったわ。あんなんじゃだめなんじゃないの?」
ふふんとバカにしたような顔でユキを下から見上げるように見た。
 ユキとてオペレーターでコンピュータに関しては素人ではない。工作班や通信班のメンバーほどではないにしても。…ではこのは本当に。
「頭だけはいいんだ――だから、困る」
と島はため息をついた。

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2006_07
29
(Sat)22:33

[tales:タイムカプセル・2]

…ということで、blog連載続きです。
さて、続くのでしょうか(笑)

(1)はこちら

(2)
「何故あんなことを言った」
2人きりになると島大介は棚橋未悠たなはし みゆうに改めてそう尋ねた。
広くはない通路を自動走行で運ばれていく間も顔をそむけたまま目を見ようとはしない。「…反省は、してるんだろ?」
 きっと顔を上げて。
「反省――なんかするもんですか。皆、きれいごとよっ。…だぁれも信じてなんかない、地球にいたからって楽な暮らしなんかできっこないから。それならまだ、食べるものもあって、若い……あの、男の人とかたくさんいそうな、エリート集団とご一緒の方が良いかと思って、居るだけよ。えぇ、女たちみんな、そう」
吐き捨てるように。挑戦的な目をして、島を睨み返した。
――このはどうして、こうも。
「明日も明後日も……大介兄さん、あんただって、信じちゃいないんだ。偉そうに航海長だっていっても、行く先だってわかってないって……あたし、知ってるのよ」

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2006_07
27
(Thu)23:10

タイムマシン企画

一昨日、紗月のブログを見て、「続きを読みたい」と再度言ってみたものの
どうしても今さら“島くんの話”など書いてくれそうにない。
おまけに、今なら絶対あり得ないラブロマンス風だぁぁっ(*^_^*)
ということで、少し足してみたら、思いの外受けたので
ちょっと最後まで話だけ作ってみた。紗月と共作です。
なので私の文体っつわけでもないし、三日月ワールドではあり得ない
話だし、だいたい冒頭の文章を全部生かすと、やっぱりちょっと
今は考えられない(笑)、、、うわぁ、高校生だ!(照)

ともあれ、ブログ連載? 途中から「お題アップ」になるかもしれません(笑)


「君は自分が何をしたかわかっているのか」
たまりかねた島が、厳しい言葉を飛ばした。

1978年(編注※)7月19日発刊号の私の記事に、上記の文章を見つけた。

全然覚えていない(笑)
設定を考えたのは微かに記憶がある。
問題行動のを多い女の子がいたら、メインスタッフはどうするだろうというような話が、サークルの仲間で盛り上がった。
30年前の原稿


[お話:タイトルは未だ、無い]

第一艦橋は、いつもに似合わぬ空気に包まれていた。

「君は自分が何をしたかわかっているのか」
たまりかねた島が、厳しい言葉を飛ばした。
棚橋未悠たなはし みゆうは床に斜めに視線を落としたまま、答えなかった。
ぴんと張り詰めた空気が間にある。
「棚橋っ。答えろ」
「何よ、私のしたことが気にいらないのなら、私を殴ったらいいのよ!
父さんがいつも私にそうしたように、あなたも私を殴ったらいいんだわ。
私は誰にも告げ口したりしないわよ」
彼女も負けずに言い返す。
 しかし、彼女がどんな風に育って来たか知らぬでもない島には、 そんなことが出来るはずがなかった。
「もっと…自分を大切にした方がいい……」
ふたりはしばらく見詰め合っていた。


(続きは下へ、、、)

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