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2012_10
14
(Sun)01:19

アジモフ症候群

 およそSFや宇宙に興味のある人間で、アイザック・アシモフの名を知らない人は少ないのではないか。少なくとも私より少し下の年代より上……にとっては、そうだろうと思う。

 彼は実際、科学者であり、作家でもあり、亡命ロシア人だったがアメリカでは偉大な作家であるだけでなく、解説者などとしても人気だった。
 亡くなったのは(私の意識では)ごく最近のことで、子どもの頃、夢中になった作家がまだ存命で健筆を振るっているというのが、どれだけ心を弾ませてくれたことか。しかも、その私が読み始めた時点で、すでに膨大な著書があり、それらは“伝説”を築き上げていたのだから。

 「宇宙戦艦ヤマト2199・第三章」の先行上映が行われた10月6日。
 私はちょうど偶然にも、何度目か……少なくとも十回以上は読んだであろう『夜明けのロボット』を読み返していたところだった。“ロボットシリーズ”と“銀河帝国シリーズ”は、彼の作品の中でも主軸を成す2本だが、晩年になって再び筆を執ったアジモフは、この2本を一つにつなげ、さらに展開部の起こりを書き始めたところで帰らぬ人となったのだ。

 ロボット三原則

 というのがあり、これはもう本当に有名な説である。アジモフは言ったというが、「私は科学者であるのに、架空の話の『法則』でこれほどまでに有名になるのは遺憾である」と。それほどまでに優れたもので、これ以降の作家でロボットを扱う人々で、これを組み込まない者はいない。普遍化され、それはもはやアイデアの盗用とかそういうレベルではない、SFの原則とさえいえるものだ。

 第9話「時計仕掛けの虜囚」。…タイトルからしてSFのもじりで、さらに詩的ですよね。
「今回の2199に登場するアナライザーも、ガミラス・ロボットも、この物語そのものはこれには関係がない。
 ただ、生命と非生命を考える時に、「その境目はどこか」ということを考えざるを得ない。SF作家だけでなく、科学者たちも実際に考えているし、私はそういう脳科学者のおひとりに大学時代、講義を受けた。そういった意味で、劇中で真田副長が発する言葉には、深い共感を覚える。

 アナライザーのロボットとしての悲哀、は、旧作では森雪との関係上で描かれた。ビーメラ星での彼のセリフは、旧作中、屈指の名セリフともいえることを否定する人はあまりいないだろう。
 今回はそれが別の形で表されるが、抑え目な表現だけに、ひどく心に残ることは確かである。

 私は学生時代、アシモフの描いたロボット、ダニールとジスカルドに惚れた。それぞれに異なる役割を持ち、人のために尽くそうとする姿は、それを「インプットされているから」だけで片付けられないものがあった。
 生命とは? 心とは? 人とは? それがミステリーの形を採って描かれ、何年かに一度、私は「鋼鉄都市」をはじめとするこの一連のシリーズを読み返さずにはいられない。
 それがちょうど、これを読み返している時に、の10月6日だった。

 なにをいまさら、と思われた方、ごめんなさい。
 でもね、私はこういう作品は好きなんですよね。また、映像も素晴らしかったです。……挿入されるヤマト・ラジオの文章の中に「わたしはロボット」というのがありました。これ、アジモフの、この一連の作品の許になった初期の頃の名作のタイトルです。数年前に「I robot」という映画になりました、こちらは原作のあれこれをベースに作り上げたオリジナルの長編でしたが、ご存じかもしれませんが。
 現在も短編集として文庫で出ていますので、興味があればお読みになってください。シリーズよりは読みやすいかも、です。
 ほかにも「ヤマトラジオ文学館」で放送された話の扉。SF読みなら皆、知っている表題ですが、どれも名作です。全部は覚えてられなかったので、DVD待ち。たぶん全部読んでると思うけど遥か昔なので、科白とタイトルしか覚えていないかも、、、SFって邦題が素晴らしいものが多いよね(^_^;)

……10月13日まではアップしないでおきます。それでは。(10月8日・記す)

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