沈黙の夏
言葉もなく。
69年前の今日、広島とその周辺では14万人もの人々が、無碍に亡くなった。
一瞬のうちに蒸発した方もいれば、苦しみながら亡くなった方もいた。
と、だがそれは私の世代でもすでに、伝聞であり、書物や知識の中、
上の世代の人たちから聞く話でしかなくなってしまった。
繰り返されてはならない、愚。
そして来年は、戦後70年を迎える。・・・信じられないことに。
だからといって、一人の人の死が、それより楽だというはずもなく
比べられるものでもない、とはわかっているのに。
人はいつかは逝ってしまうのだと覚悟を決め、もちろん自分もその一人であって、
その覚悟もしなければならない、だができるだけ先にしておきたいと臆病で怠惰な自分はそう思う。
この人と知り合えて幸いだった・・・と思える人は、現在の戦中派といわれる世代には多く、
知り合う人が増えれば、多くの人と別れも増える。
いつかはさようならをするのだと思いながらも、
別にそれが今でなくてもよいではないか、と恨めしく思い
だが逆に、もっと以前でなくてよかったとも思う。
年配の友人や貴重な知人を持った者なら、誰しも感じたことがあるだろうが。
今でもあの“声”を聴くたびに、時には(こっそり)号泣してしまう自分がいるから
その人と共に歩んだ方の死は、一つの時代を確実に終わりに導く。
冥福を、祈る。
そして残された人々の安らかなるを祈る。
沈黙の夏に。
69年前の今日、広島とその周辺では14万人もの人々が、無碍に亡くなった。
一瞬のうちに蒸発した方もいれば、苦しみながら亡くなった方もいた。
と、だがそれは私の世代でもすでに、伝聞であり、書物や知識の中、
上の世代の人たちから聞く話でしかなくなってしまった。
繰り返されてはならない、愚。
そして来年は、戦後70年を迎える。・・・信じられないことに。
だからといって、一人の人の死が、それより楽だというはずもなく
比べられるものでもない、とはわかっているのに。
人はいつかは逝ってしまうのだと覚悟を決め、もちろん自分もその一人であって、
その覚悟もしなければならない、だができるだけ先にしておきたいと臆病で怠惰な自分はそう思う。
この人と知り合えて幸いだった・・・と思える人は、現在の戦中派といわれる世代には多く、
知り合う人が増えれば、多くの人と別れも増える。
いつかはさようならをするのだと思いながらも、
別にそれが今でなくてもよいではないか、と恨めしく思い
だが逆に、もっと以前でなくてよかったとも思う。
年配の友人や貴重な知人を持った者なら、誰しも感じたことがあるだろうが。
今でもあの“声”を聴くたびに、時には(こっそり)号泣してしまう自分がいるから
その人と共に歩んだ方の死は、一つの時代を確実に終わりに導く。
冥福を、祈る。
そして残された人々の安らかなるを祈る。
沈黙の夏に。