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2015_06
16
(Tue)02:03

ショパンを弾いてみる。

 同僚の嫁さんがアマチュアのピアノ弾きで、とてもショパンが好きだという。
 しょっちゅうその話を聞くものだから、音大時代から「ショパン嫌い」を標榜していた私としては、なかなか面白い想いをしている。

 「嫌い」といっても、ヒネクレモノな私は、ショパンを弾いて悦に入ってるピアノ弾きが嫌いだったのであって、ショパンそのものが嫌いなわけではないのだ。世界中の一流のピアノ弾きの多くのショパンは肌に合わないが(笑)、私だって、昔のポリーニやツィメルマンは好きである。(アヴデーエワはやっぱりモーツァルトの方が素晴らしいと思うし、ブーニンはバッハの方がいいと思うけど。)

 何故かーというとですね。
 ショパンの曲って、弾いていると「ピアノを弾いた気」になるんですね。曲がそのようにできている。
 楽譜の通りに弾いて、そのアーティキュレーションや強弱の通りに音を出せば、必然、「ピアノ曲っぽく」なるのよ。それに、弾いていても、「運動として」気持ちがよいのだ、指が。・・・これが、すっげく嫌い!

 なぁんてことを、知人友人の音楽関係者の前で言うわけにはいかなくて、たしかここにも書いたことはないはず。
 だけど私の周りの人間は、私がショパン嫌いなのは知っているわけで、その前で「ショパン弾き」を名乗る根性のある人はあんまりいなかったな。

 アマチュアがハマるのはわかるんですね。
 いまやアマチュアにすぎない私は、それでもエチュードは別だから、指ならしをする時は、ショパンのエチュードは有効。ある種の、ね。だって全部弾けるわけじゃないし。ツェルニー30番とハノンと、ショパンのエチュードは、リハビリには大変よろしいのです。

 ところで最近、ストレスがたまると夜、家に帰ってピアノを弾く。
 何故なら、ヴァイオリンを弾くと「練習」になるし、勉強になるし、もっとストレスたまるから。もちろんヴァイオリンは音を出しているだけで幸せというところもあるけれども、、、でもねぇ。

 長年、子どもの頃の人生の大半を費やしたものというのは、仕方ない。いくらヴァイオリンが好きでも、もうピアノは弾けないといって人前で弾いたことは無いけれども、それでも、連れ合いが曰く、「ピアノでできることとヴァイオリンできることは雲泥の差」と言う。・・・あ、そういえば、ヤマパで弾いたな(爆)。あれは、まぁ。。。うにゃうにゃ。

 そしてピアノで音大出てるとですね。
 よほどの達人でもない限り、情けないことに、レパートリーといえばやっぱりショパンが多いのよ(泣)。今でも弾ける曲、というと、ベートーヴェンかショパンになっちゃいます。モーツァルトなんて3曲くらいしか弾けないしな。
 家にせっかく楽器があるのだから、といって、少しずつ弾いていた曲は何曲か。ソロにまったく興味がないワタクシは、演奏する機会があるとすれば室内楽なので、必死こいてピアノ四重奏をさらっていたりもするのだが、それは、それとして。

 ショパンの「英雄ポロネーズ」と、葬送付き2番のソナタ。この2曲だけはわりあいに好きで、これにバラードの2番が加わる。
 ワルツやマズルカは、まず専科の人間はレッスンではやらないので、ほとんど弾けない。楽譜みて鳴らすだけで、ひととおりは弾いたことはあるけれども。あと、ノクターン? プレリュードは好きだけど、難しいですもんね。d-mollくらいかな、弾いたのは。
 そして、飽きて、、、、さらには自分に【呆れる】と、ブラームスの交響曲第三番(ピアノ編曲版)か、ベートーヴェンの「月光」を引っ張り出して、心静かに弾く。さて、もう寝ようか。。。というところ。

 ピアノって、もしかすると、いいのかもしれない。
 ただひたすら、自分と語る。作曲家の魂に近づくだけ。・・・孤独だよね。