9月の終わりごろ“遅めの夏休み後半”と取って、家でごろごろしたり(喉を傷めて、さらにひどく体調を崩したので、九州に一人旅行しようという案はボツになった。。。次に静岡方面にしようと思って、それもボツにした。。。くすん)、前からやろうと思っていたことに着手したりして、週末、観劇に行ったこと。
この券はなかなか取れなくて、以前の青山円形劇場での公演もだし、初演の大竹しのぶさんのなんか本当に観たかったのだけれど、幸い、今回は観る機会に恵まれて、新橋演舞場に行ってきた。
まずは、この会場がすごい。
お隣の歌舞伎座とか、そこから徒歩3分くらいの 浜離宮朝日ホールなんかは、けっこうしょっちゅう行ってるので、いつもいつも前を通るだけ。知人がしょっちゅう此処でシゴトをしている(もちろん舞台の)のだから、観ててもよさそうなのに、なんとなく“敷居が高い”感がある。
これって、クラシックのコンサートにあんまり行かない人が、「サントリーホール」とか「トッパンホール」ってと敷居が高いのと似たような感覚かもね。
ともあれ、素晴らしい。箱の大きさといいロビーといい、休憩所やおべんとの用意まで。クラシックも少し見習えばいいのになーと思わないでもないが、それはそれなりの文化がある。
私が芝居に行って、一番驚くのは、「休憩時間なら座席で飲み食いしてもいい」と言われることなんですね。宝塚だってそう。もちろん、新橋演舞場に至っては、桟敷席にはテーブルがあり、そこでお弁当やお茶が食べられるのだ。すっげー。オペラのボックス席もそうすればいいのになー。どうせ区切られていて、中は見えないんだから。

演目は『ガラスの仮面』です。あの美内すずえさんの名作巨編(未完だし)!!
主演の北島マヤに貫地谷しほり、亜弓さんにマイコ。月影先生に一路真輝、紫のバラの人=速水真澄に小西遼生。
あと、キャストの皆々さん、すごくて。
演劇をテーマにして、出てくる人、天才ばっかという役を、舞台の上で演じるってどうなんでしょうね。
それが“成り切って”いるから素晴らしい。
『ガラスの仮面』の魅力に、作中で演じられる“劇中劇”があるんですが、あれ、最初知らなかったのですが、ほとんどが美内さんのオリジナルなんだそうですね。中でも大好きな『ふたりの王女』がメインを占めていて、二重に美味しかった。
この3年ほど、シュミでミュージカルなど演じていて、芝居の基礎から叩き込まれ(といっても、手加減の無い先生たち、ってだけで、しょせんはシロート芝居ではありますが)ているから余計に、「プロの人が何をやっているか」が細かくわかる、という気もします。
クラシック音楽でもね、「アマチュアオーケストラに入って演奏してて、良いことっていうのは、“プロがどんなにすごいか、わかるようになること”だ」と言われるくらいだからねー。まぁ桁違いなすごさといいますか。
『ふたりの王女』もだけれど、ラストシーンの、一路さんによる『紅天女』は、すさまじく美しく、その世界でした。
宝塚出身の方、、とくにある年代以上の方というのは、徹底して日舞の基礎があるでしょ。だから、立ち姿、静から動への所作などが、空間にぴしっと決まるんですよね。流れるような、風・水など感じさせる、空間だけでなくて時間の広がりも。
本編の中に、『紅天女』の試演会に向けて2人の少女たちが「風・水・火・土」のエチュードにトライするシーンがあるけど、そうなんだなーと感心して観ておりました。
ともかく、美しかったのと、なつかしかったのと。
オーディションの「感動を作る」も面白かったし、『ふたりの王女』は圧巻で、お芝居を3本観たような感動でした。
オペラやバレエ、ダンスやミュージカルはよく観るし、さらには歌舞伎などもアリなのですが、ストレートプレイは、わりとしんどいのでそんなに観ないんですね。でもこれは、何度も観たい芝居でしたね。

大阪公演をもって、全舞台終了したそうです。