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2010_04
14
(Wed)07:30

[First contact:12]

【第一報・・・星の彼方より】(12)

・・・ラスト・コンテントです(_ _)・・・

 ふぅ。なんとかブックフェア開催中に最後までお読みいただくことができました(^.^)。
 すいませんねぇ、なぁんにも起こらなくて。

 このあと、「第二部」とやらはある予定ですが(a.d.2218-2220、事の起こりまで)
 登場人物は被るものの、これとはほとんど違う話になるので、これはこの話で完結です。
 お読みいただき、ありがとうございました(_ _)

 よろしければ、「拍手コメント」や「blogメールフォーム」からご感想などいただけましたら
 嬉しく存じます。もちろん、「宇宙図書館」の方へでも結構です。
 ご訪問いただき、ありがとうございました。

             ◆  ◆

 綾乃・拝 2010年4月のお天気の良い日♪


(ここからは「余談」・・・お話を読まれてからお暇ならどうぞ)

 ちなみにご心配されている方々がいらっしゃれば、と思いますので(^_^;)。
 古代美雪ちゃんと加藤大輔くんは、別にこの先、“なんとなくイイ雰囲気”とかに
なったりはしません(笑)。いやさすがにオリジナル・キャラの息子にそれは美味しすぎる
ということで、かーちゃん(=佐々ですね)に厳しくたしなめられていると想像いたします(笑)。
 どなたかが書いてらしたではありませんか。う~ん、おとーちゃん(進くん)としては
婿候補No.1としては、やっぱり親友の弟・信頼も篤いし社会的地位も高いって、そりゃ
島次郎くんでしょうよ、えぇ。

 それにな。
 美雪ちゃん、実はものすごいファザコンですものねぇ。だってあれって裏返しですから。
 おとーちゃんしか目に入っておりませんし。コダイススム以外は男じゃありませんから(笑)。
 いくら後年、“長じてタラし”の名をほしいままにする大輔くんとしても、まさかそんな気
にはなりませんとも。
 ただねぇ。年下のくせに保護欲だけは強いようです。「第二部」はそんな話になるかも
(ならないかもしれないですが)。
 第二部はとりあえず、おとーちゃん登場いたします。続きはスタートしておりますが
お終いの目処が立たないぞ? さてどこまで書こうかしらん★

 とりあえず、第一部が美しく完結して、めでたい(^.^)です>自分。ではまた。

 よろしければ、ご感想などいただければ幸いです(_ _) 拍手コメントでも。メールフォームでも。
 またどこかでお会いいたしましょう♪

【第一報・・・星の彼方より】(12)

【前のお話】 (01) (02) (03) (04) (05) (06) (07) (08) (09) (10) (11)

= Epilogue =
 びーっ、びーっ、と通信機器が反応した。
 直接通信ではない。パッケージ通信の方だ。遠方から――おそらく、発信地は地球。
佐々葉子はそれを取って、一緒にいた連れ合いの方を見た。
「――大輔からのようだよ」
発信地からだいたいを推測して彼の方が立ち上がり、微笑んで通信パネルの前へ付いた。

 『父さん、母さん――ご無沙汰してごめんなさい』
少し離れていただけで懐かしい息子の顔が画面に映った。
 大輔からの通信は要領を得たもので、到着してからの簡単な報告と、知人たちの去就。
さらには地球防衛軍や島・真田らの動き、実際に何が行なわれているかということに
ついての簡単な報告だった。写真画像もあり、なかなか気が利くなと思った両親である。
 ただしこの段階で、大輔は真田との約束どおり、アクエリアス・ルナで見聞きした
ことどもについては一切触れていない。厳重にシークレット・セキュリティをかけた
パッケージ通信とはいえ、遠距離である。何がどう漏れるかわからない。しかも直接
話すのではない相手――たとえ両親といえども、状況のわからない中で情報だけが
独り歩きするべきではない。年少とはいえ、大輔の判断は正しかった。

 淡々と、起こったことを報告しつつ、話は古代一家のことに触れた時だけ、少し大輔
の態度が変わった。嫌がる美雪に無理を言って撮らせてもらったとかで、本人と佐渡
先生・アナライザーの映像が入っている。
 『よう、加藤。元気かの? わしゃ相変わらずじゃわい。アナライザーも元気じゃぞ』
 動物病院らしい場所は相変わらずの畳敷きで笑ったし、美雪はさすがにあの夫妻の
子どもらしく目をみはるほどの美少女だ。

 息子の心持を思って両親はくすりと顔を見合わせる。
 古代進が地球を離れていたというのは本当なのだな――そうか。
加藤にも佐々にもその心境は推し量るしかない。だが、娘は納得しないだろうし、
(雪――)
佐々は親友の心の裡をおもんぱかった。

 『――父さん、母さん』
大輔は報告を終えると少しくだけた口調になり、笑顔を見せた。
『お願いがあります』また少し引き締めると。
 僕は地球に残ろうと思う。――このまま、地球がどうなっていくのか見届けたい。
そうしてできることをする。真田さんの家に下宿って形ですけど、お願いがあるんです。
 軍からの正式な地球への留学派遣の形にしてもらえませんか。
 “留学”にしておけば、まだ予備役のまま途中だった就学も続けられるし訓練も
受けられる。外部では入れない場所にも軍の一部として利用させてもらえるだろう。
手当て(給料のようなもの)も出る。なにかと便宜の図られる立場だ。だが逆に
両国間、両機関の関係にも影響をするため、力のある者の推薦や資格取得が必須
だった。独立してまだ3年――正規軍人の研修・赴任のための派遣以外、若年層の
留学はまだない。その手続きを取ってほしいというのである。

 「ちゃっかりしてるわよねぇ」
呆れた、という顔をして母親が言った。
「まぁ末頼もしい、と思っておこうじゃないか。――軍留学、というのはなかなか
悪くないアイデアだ。有事の際は手伝えるのだしな」
「それはそうだけど…」
何故か少し膨れた顔をしているように見える妻である。

 「どうした?」横の相方を見て四郎は、あぁと納得した。
「お前も、行きたいの、な?」
ふい、と顔を逸らして答えはしないが。
 まったく相変わらず妙なところ子どもみたいだよなと思う加藤四郎である。
「行くわけにはいかねーだろ? 俺も、お前も」
「……わかってるわよ」ぷん、という雰囲気が帰ってきた。

 手続きしてやるしかなさそうね。
佐々はそう言って立ち上がった。
ついでに真田さんにもよっくお願いしておかなきゃ――差し入れ送るってって
もなぁ。。。次、貨物船の連絡便が来るのっていつだったかしらねー。
 早速、母親だか上官だかわからない気を回し始めた彼女を他所に、四郎は
もう一度、画面の息子と向かい合う。
――大輔。正念場だ。頼むぞ、俺の代わりに。
真田さんを、古代を。地球を……島くんを、助けてやってくれ。

 大輔1人が居たからどうということはないのは当然だ。
 だが息子にも新しい運命の手が差し伸べられている。

 風雲急を告ぐ――か。加藤大輔にとって、新しい道が拓けようとしていた。
自分たちはいったい、どうするのか。その時が来たら。
 地球は――太陽系は!?
 (古代。真田さん――島くん)
 遠くから祈ることしかできない。いや、出来る限りの手を打ちながら、待とう。
 惑星マーメイドはまだ、始まったばかりの歴史の中にある。
 宇宙は見かけ上、平和に凪いでいた――。

【第一部・Fin】
―― 12 Feb, 2010

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