面舵一杯! ようそろ。
図らずもわれわれは、一緒にいた。
ある演奏会に誘い合わせて行き、日曜日の夜などにめったに揃うメンツではなかったのだ。
素晴らしい演奏と「Space Battleship YAMATO」の話などをしながら、食事に行こうと駅からの道を歩いていたところに、一人の携帯が鳴った。
呆然としたまま、「み、見て…」とその画面を差し出す一人。
“宇宙戦艦ヤマトプロデューサー:西崎氏、船から転落し死亡”
冗談だろう?
でどころを確認し、朝日新聞のニュース速報だとわかった。今日の昼? 報道は今!?
それから矢継ぎ早に電話が鳴ったり、かけたり。繁華街の入り口で、なす術もなく立ち尽くし、冷静に考えればだからといってわれわれが何ができるわけでも、何をしなければならないわけでもないというのに。
必要な処には連絡を返し、3人で結局、予定の店に入った。
「追悼ってことで」。ヤケ酒というわけにはいかないからヤケ食いですか? 今日は「Space Battlehip YAMATO」の話をしよう、と言っていたばかりなのに。
その場にいた3人=「響鬼を語ろう」管理人・77maru77さん、「胡蝶の夢/宇宙図書館」管理人・ポトスさん、と私。なんだか真っ白な顔をして、ヤマトファンの店長のいる店で、しみじみと西崎さんについて、ヤマトについて、そうしてやっぱりSpace Battleship YAMATOについて、話した。
誰とはなしに、「一人でなくてよかったね」と言った。
一人でいればこの衝撃を、どう処理してよいかわからなかっただろう。
だからすぐに、その場にいなかったもう一人に電話した。一人で夜を過ごしているだろう人に。
羅針盤を失った船のようだった。
なんで、そういうことになったのかわからなかったし、それでも「試写会が終わっていてよかった」とも思った。ディレクターズカット版はどうなるのだとか(実際にはあまり興味がないのだが)、宮川さんが亡くなった時の話をしたりとかした。
好き嫌いの話をするのではない。彼自身がどうだったか、ということを考えれば、いまもいろいろな思いはある。だが皆が書き込んでいるように、あの人がいなければヤマトは飛ばず、あの人はヤマトの“父”だったのだ。
・・・
ヤマトは再び発進したはずだった。
少なくとも『復活篇』が出来、艦は飛んだのだ。古代進も生きている。
・・・
われわれは何ができるのだろう?
来年以降、まだヤマトは続く。続くかどうかは他力本願ではないはずだ。
艦長を失った。・・・そう、生み出した“父”であるかの人の代わりを、誰も出来はしないだろう。だが、第一艦橋にはクルーたちが居て、艦長亡きあとも艦を動かそうとしている。そうして、艦(ヤマト)は飛び続けるのだ。
その魂を受け継いだ人たちが物凄い映画を作った。
技術や、経験(キャリア)や、実績を持った人々が沢山いる。そうして地球から見守る支援部隊もあっていいはずだった。
艦は飛ぶに違いない。
冥福を祈りつつ、できることをするか、または願い・祈ろう。…ヘビーな週末の最後に、ひどく暗い夜である。だけど週も明け、物事は動き、人はまだ生きている。
関連記事>>日刊スポーツ 11/8
ある演奏会に誘い合わせて行き、日曜日の夜などにめったに揃うメンツではなかったのだ。
素晴らしい演奏と「Space Battleship YAMATO」の話などをしながら、食事に行こうと駅からの道を歩いていたところに、一人の携帯が鳴った。
呆然としたまま、「み、見て…」とその画面を差し出す一人。
“宇宙戦艦ヤマトプロデューサー:西崎氏、船から転落し死亡”
冗談だろう?
でどころを確認し、朝日新聞のニュース速報だとわかった。今日の昼? 報道は今!?
それから矢継ぎ早に電話が鳴ったり、かけたり。繁華街の入り口で、なす術もなく立ち尽くし、冷静に考えればだからといってわれわれが何ができるわけでも、何をしなければならないわけでもないというのに。
必要な処には連絡を返し、3人で結局、予定の店に入った。
「追悼ってことで」。ヤケ酒というわけにはいかないからヤケ食いですか? 今日は「Space Battlehip YAMATO」の話をしよう、と言っていたばかりなのに。
その場にいた3人=「響鬼を語ろう」管理人・77maru77さん、「胡蝶の夢/宇宙図書館」管理人・ポトスさん、と私。なんだか真っ白な顔をして、ヤマトファンの店長のいる店で、しみじみと西崎さんについて、ヤマトについて、そうしてやっぱりSpace Battleship YAMATOについて、話した。
誰とはなしに、「一人でなくてよかったね」と言った。
一人でいればこの衝撃を、どう処理してよいかわからなかっただろう。
だからすぐに、その場にいなかったもう一人に電話した。一人で夜を過ごしているだろう人に。
羅針盤を失った船のようだった。
なんで、そういうことになったのかわからなかったし、それでも「試写会が終わっていてよかった」とも思った。ディレクターズカット版はどうなるのだとか(実際にはあまり興味がないのだが)、宮川さんが亡くなった時の話をしたりとかした。
好き嫌いの話をするのではない。彼自身がどうだったか、ということを考えれば、いまもいろいろな思いはある。だが皆が書き込んでいるように、あの人がいなければヤマトは飛ばず、あの人はヤマトの“父”だったのだ。
・・・
ヤマトは再び発進したはずだった。
少なくとも『復活篇』が出来、艦は飛んだのだ。古代進も生きている。
・・・
われわれは何ができるのだろう?
来年以降、まだヤマトは続く。続くかどうかは他力本願ではないはずだ。
艦長を失った。・・・そう、生み出した“父”であるかの人の代わりを、誰も出来はしないだろう。だが、第一艦橋にはクルーたちが居て、艦長亡きあとも艦を動かそうとしている。そうして、艦(ヤマト)は飛び続けるのだ。
その魂を受け継いだ人たちが物凄い映画を作った。
技術や、経験(キャリア)や、実績を持った人々が沢山いる。そうして地球から見守る支援部隊もあっていいはずだった。
艦は飛ぶに違いない。
冥福を祈りつつ、できることをするか、または願い・祈ろう。…ヘビーな週末の最後に、ひどく暗い夜である。だけど週も明け、物事は動き、人はまだ生きている。
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