Space Battleship YAMATO観たよ(2)/物語
(( 全部ネタバレです。ご注意ください ))
今回は、泣きました。
もちろん、アニメを見た時ほどに号泣したわけでもなく、そうだなぁ、『復活篇』ほどにも泣かなかったけどね。
前半はとても好きなんです。その、好きなシーンで、良い部分いっぱいあった。冒頭、音楽が鳴り火星会戦のシーンでもう“かなりダメ”でしたが、本当に泣いたのは2箇所だけです。→後述
二回目観て、一番印象が変わったのが後半。『さらば…』のパートに入ってからでした。最初の鑑賞では頭の中にデータベースが回ってしまって、どうしてもアニメと重なる。しかもものすごくいろいろな要素を取り込んであって、物語は「さらば」だけど、テレザートのシーンも絵として表現されていたり、あれ=イスカンダルは、スターシアであってテレサでもあるように思われたり、様々なオマージュが渦巻いて、とても冷静に見られなかったし、初回は「物語のどの部分を使っていくのだろう」、という思いの方が強かったですよね。
おおよそのストーリーはわかっていたものの、ディティールの積み重ねが、作品の“質”というものを作る。そこを楽しみにするのがカバー作品、というものでもありますから。
・・・
映画を観終わった直後の感想は、二度とも、「あぁ、また観たい」だったのです。今回は「次、ではいつ行こうか」だったんですね。…これは、どういうことなのだろう。だから試写会が終わったあとは、本当に12月1日の公開日を楽しみにしていた。最初の印象がマチガッテいるのか? それとも、それが“私の感想”なのだろうか、と。
物語が良かった。それを表現されていた。つまりは、「ヤマトが」ということです。どなたかも書かれていたように、
【宇宙戦艦ヤマトの原点回帰】の作品
だったんです。だからこそ熱く、だからこそシンプルで…そうして、熱が伝わってきた。
古代進・38歳。元・地球防衛軍エースパイロット、2199年現在・退役軍人のくず鉄屋。…この設定が出た時に、かなり期待した。何故なら、いくら気合入れて撮ったとしても、「ヘタすりゃ“ヤマトごっこ”」で終わってしまう。これは木村さんがインタビューでも語っていました。
ヤマトのコスプレして、チャチなセットの中で右往左往しているゴッコ遊び…になる危険性はずっとつきまとっていた。VFXの技術に信頼性がなかったわけではありません、でも、リアリティって何なんだろう。
私は、『復活篇』でも、古代のアノ設定が出た時に、初めて「あぁ面白そうだな」と思った人間です。ありえない話で夢物語だからこそ、物語の中にはリアリティがほしい。ではそれは何だろう? という。この設定は物語を形作る骨子の処でものすごく深い影響を与えていた、つまり成功していたんですね。
古代と島の共有した過去とつながり。森雪との年齢差、民間人が復属していきなり戦闘班長を任される自然さ、そうしてBT連中や徳川機関長との関わり…。これは島大介と息子・次郎とのつながりや、古代とのつながりにもいえることです。
さらには、石津版(ソノラマ版)をベースにしたガミラス/イスカンダル。もちろんこれは、「SFではよくある話」ですが、物語のベースを『1』+『さらば』にするなら、ほかの選択肢はあまりなかったのではないか。
SFには、ある種の残酷さと厳しさが必要でしょう。その意味での“沖田の嘘”と、“第三艦橋事件”は、この物語のムゴさを現して、胸が痛くなります。だからこそ、善かった、といえるのです。
・・・
ヤマトの“原点回帰”と言いました。1%の可能性/勇気/希望/意思/前へ進むこと/家族や地球へ残してきたものへの愛/仲間・信頼…。
それと、ヤマトが本当に言いたかったテーマであるはずなのに、何故か科白が先行し、上滑り気味になることで悔しい思いをしてきた「愛」という概念。宇宙愛であり、家族への愛。これがまったく滑らなかったこと。
随所にオリジナルが盛り込まれていることで、本来のストーリーとテーマを浮き立たせる…まぁこれは私の持論でもあって(笑)(三文二次小説と本編を一緒にしてはいけませんが、気持ちの問題として)。設定の変更、キャラクターの立ち位置の変化(たとえば森雪がブラックタイガーの戦士であること)、さらには原作には無いシーンを作り、大幅にそうでないものをカットしていくことによって作り出される新鮮なストーリーと、それによって浮き彫りになってくる本来の“ヤマトの姿”。そんな風に思って見ました。
表現媒体が変われば、当然それにふさわしい表現方法も変化する。原作を「なぞる(=コピーする)」のが、原作遵守や原作に忠実だというのは間違いだろう。だから実写には実写の表現があり、アニメやコミックや小説ではできなかったことをやらなければ価値が無く、そしてまたそれは成功していたと思うのだがどうだろうか。
俳優さんのちょっとした芝居や。脚本の科白回しや。場面の設定。それら全部が通しても、まったくヤマトを知らない人が見ても、ひどく説得力のある、しかもヤマトの世界だ、と思わせてくれた。
説明をしない。芝居で見せる、という本来の映画のあり方を、少なくとも“人の部分・人間の物語”としては、見せてもらえたと思う(そうでない部分はそうでない、んですが・笑、、、それはまたツッコマセテいただくとして)。
相互の人間関係が、ひどく善く描かれていたと思う。少なくとも艦載機隊については、「チーム古代」だった。飲んだり、だべったり。戦闘に出る中で、互いを認め合い、背中を預けられるようになっていく。
(現在BBSで少々話題ですが)島大介と森雪のつながりも、ひどく清清しい。ホッとする。斉藤-古代とか、加藤-山本-森とか。沖田-古代は特に、そう。この、沖田艦長-佐渡先生-古代 についても、いいなぁと思って見ました。
(続きます…)
・・・なんか、何を書いていいのか、とてもまとまらないんですよ。まだ観足りないのかも。
それと、これが【宇宙戦艦ヤマト】、、、われわれがずっと愛してファンをやってきた作品なのか、という問いには答えが出ていません。
ただ、大きな【宇宙戦艦ヤマト】という世界の、一つの世界(=解釈)である、とは思うんです。
今回は、泣きました。
もちろん、アニメを見た時ほどに号泣したわけでもなく、そうだなぁ、『復活篇』ほどにも泣かなかったけどね。
前半はとても好きなんです。その、好きなシーンで、良い部分いっぱいあった。冒頭、音楽が鳴り火星会戦のシーンでもう“かなりダメ”でしたが、本当に泣いたのは2箇所だけです。→後述
二回目観て、一番印象が変わったのが後半。『さらば…』のパートに入ってからでした。最初の鑑賞では頭の中にデータベースが回ってしまって、どうしてもアニメと重なる。しかもものすごくいろいろな要素を取り込んであって、物語は「さらば」だけど、テレザートのシーンも絵として表現されていたり、あれ=イスカンダルは、スターシアであってテレサでもあるように思われたり、様々なオマージュが渦巻いて、とても冷静に見られなかったし、初回は「物語のどの部分を使っていくのだろう」、という思いの方が強かったですよね。
おおよそのストーリーはわかっていたものの、ディティールの積み重ねが、作品の“質”というものを作る。そこを楽しみにするのがカバー作品、というものでもありますから。
・・・
映画を観終わった直後の感想は、二度とも、「あぁ、また観たい」だったのです。今回は「次、ではいつ行こうか」だったんですね。…これは、どういうことなのだろう。だから試写会が終わったあとは、本当に12月1日の公開日を楽しみにしていた。最初の印象がマチガッテいるのか? それとも、それが“私の感想”なのだろうか、と。
物語が良かった。それを表現されていた。つまりは、「ヤマトが」ということです。どなたかも書かれていたように、
【宇宙戦艦ヤマトの原点回帰】の作品
だったんです。だからこそ熱く、だからこそシンプルで…そうして、熱が伝わってきた。
古代進・38歳。元・地球防衛軍エースパイロット、2199年現在・退役軍人のくず鉄屋。…この設定が出た時に、かなり期待した。何故なら、いくら気合入れて撮ったとしても、「ヘタすりゃ“ヤマトごっこ”」で終わってしまう。これは木村さんがインタビューでも語っていました。
ヤマトのコスプレして、チャチなセットの中で右往左往しているゴッコ遊び…になる危険性はずっとつきまとっていた。VFXの技術に信頼性がなかったわけではありません、でも、リアリティって何なんだろう。
私は、『復活篇』でも、古代のアノ設定が出た時に、初めて「あぁ面白そうだな」と思った人間です。ありえない話で夢物語だからこそ、物語の中にはリアリティがほしい。ではそれは何だろう? という。この設定は物語を形作る骨子の処でものすごく深い影響を与えていた、つまり成功していたんですね。
古代と島の共有した過去とつながり。森雪との年齢差、民間人が復属していきなり戦闘班長を任される自然さ、そうしてBT連中や徳川機関長との関わり…。これは島大介と息子・次郎とのつながりや、古代とのつながりにもいえることです。
さらには、石津版(ソノラマ版)をベースにしたガミラス/イスカンダル。もちろんこれは、「SFではよくある話」ですが、物語のベースを『1』+『さらば』にするなら、ほかの選択肢はあまりなかったのではないか。
SFには、ある種の残酷さと厳しさが必要でしょう。その意味での“沖田の嘘”と、“第三艦橋事件”は、この物語のムゴさを現して、胸が痛くなります。だからこそ、善かった、といえるのです。
・・・
ヤマトの“原点回帰”と言いました。1%の可能性/勇気/希望/意思/前へ進むこと/家族や地球へ残してきたものへの愛/仲間・信頼…。
それと、ヤマトが本当に言いたかったテーマであるはずなのに、何故か科白が先行し、上滑り気味になることで悔しい思いをしてきた「愛」という概念。宇宙愛であり、家族への愛。これがまったく滑らなかったこと。
随所にオリジナルが盛り込まれていることで、本来のストーリーとテーマを浮き立たせる…まぁこれは私の持論でもあって(笑)(三文二次小説と本編を一緒にしてはいけませんが、気持ちの問題として)。設定の変更、キャラクターの立ち位置の変化(たとえば森雪がブラックタイガーの戦士であること)、さらには原作には無いシーンを作り、大幅にそうでないものをカットしていくことによって作り出される新鮮なストーリーと、それによって浮き彫りになってくる本来の“ヤマトの姿”。そんな風に思って見ました。
表現媒体が変われば、当然それにふさわしい表現方法も変化する。原作を「なぞる(=コピーする)」のが、原作遵守や原作に忠実だというのは間違いだろう。だから実写には実写の表現があり、アニメやコミックや小説ではできなかったことをやらなければ価値が無く、そしてまたそれは成功していたと思うのだがどうだろうか。
俳優さんのちょっとした芝居や。脚本の科白回しや。場面の設定。それら全部が通しても、まったくヤマトを知らない人が見ても、ひどく説得力のある、しかもヤマトの世界だ、と思わせてくれた。
説明をしない。芝居で見せる、という本来の映画のあり方を、少なくとも“人の部分・人間の物語”としては、見せてもらえたと思う(そうでない部分はそうでない、んですが・笑、、、それはまたツッコマセテいただくとして)。
相互の人間関係が、ひどく善く描かれていたと思う。少なくとも艦載機隊については、「チーム古代」だった。飲んだり、だべったり。戦闘に出る中で、互いを認め合い、背中を預けられるようになっていく。
(現在BBSで少々話題ですが)島大介と森雪のつながりも、ひどく清清しい。ホッとする。斉藤-古代とか、加藤-山本-森とか。沖田-古代は特に、そう。この、沖田艦長-佐渡先生-古代 についても、いいなぁと思って見ました。
(続きます…)
・・・なんか、何を書いていいのか、とてもまとまらないんですよ。まだ観足りないのかも。
それと、これが【宇宙戦艦ヤマト】、、、われわれがずっと愛してファンをやってきた作品なのか、という問いには答えが出ていません。
ただ、大きな【宇宙戦艦ヤマト】という世界の、一つの世界(=解釈)である、とは思うんです。
【個人的ツッコミドコロ】
・「ばかめ」……沖田艦長、沖田艦長。それ言うシチュエーション、それですかい!? ムリムリその科白入れなくても、、、
・沖田「ヤマト、発進」(冷静)→島「宇宙戦艦ヤマト、発進!!」…島航海長、気合入りすぎ(^_^;) でもね。私はここ、沖田が淡々と発して島が気合入れて青筋立ててるってのも良いと思うんですけどね。
・第一艦橋の左画面にずっといた髪の長い女性。どうやら航海班らしいけど……はっきし邪魔でした。科白の無い役者は、芝居うまくないと画面を殺す。せめてショートカットで島の補佐をするくらいの動きを見せたら、とか少なくとも手を叩いてはしゃぐシーンじゃないだろう、とか。。。なんなんでしょう? 新人役者の売り込みかなぁ?
・太田はひっそりと存在してて、上手かったですよ。でも、テロップじゃ役者の名前もわかんない、、、メンバーの対比表くらいほしかった、、、て突っ込みはそこじゃなくて。島の横にいてほしいです、そっち側じゃなくて(笑)
・真田@柳葉さん、やっぱりスキない演技でした。乗り移ってます、カンペキ。「俺はお前を弟のように…」も、よく見たら唐突感はありませんでした。古代@木村と真田@柳葉が、ちゃんとやり取りしててそれが伝わってきたからです
・それにしても、古代進、よく泣いてますね。しかもけっこう涙ぐしって感じの。森雪の例の第三艦橋事件後、真田さんとの別れ、そのほか…。そこ、いいんだよなー。
・
・
・(まだ、あったような(^_^;)…思い出したらまた書きます)
・「ばかめ」……沖田艦長、沖田艦長。それ言うシチュエーション、それですかい!? ムリムリその科白入れなくても、、、
・沖田「ヤマト、発進」(冷静)→島「宇宙戦艦ヤマト、発進!!」…島航海長、気合入りすぎ(^_^;) でもね。私はここ、沖田が淡々と発して島が気合入れて青筋立ててるってのも良いと思うんですけどね。
・第一艦橋の左画面にずっといた髪の長い女性。どうやら航海班らしいけど……はっきし邪魔でした。科白の無い役者は、芝居うまくないと画面を殺す。せめてショートカットで島の補佐をするくらいの動きを見せたら、とか少なくとも手を叩いてはしゃぐシーンじゃないだろう、とか。。。なんなんでしょう? 新人役者の売り込みかなぁ?
・太田はひっそりと存在してて、上手かったですよ。でも、テロップじゃ役者の名前もわかんない、、、メンバーの対比表くらいほしかった、、、て突っ込みはそこじゃなくて。島の横にいてほしいです、そっち側じゃなくて(笑)
・真田@柳葉さん、やっぱりスキない演技でした。乗り移ってます、カンペキ。「俺はお前を弟のように…」も、よく見たら唐突感はありませんでした。古代@木村と真田@柳葉が、ちゃんとやり取りしててそれが伝わってきたからです
・それにしても、古代進、よく泣いてますね。しかもけっこう涙ぐしって感じの。森雪の例の第三艦橋事件後、真田さんとの別れ、そのほか…。そこ、いいんだよなー。
・
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・(まだ、あったような(^_^;)…思い出したらまた書きます)