「信頼」が奏でた名曲
私がこの作品にハマったのは、“信頼”とか“友情”とかいうものが、自分の好みの形で存在しているから、というのはひとつの理由には違いない。青くさい、といわれるかもしれないが、物心付いた7~8歳くらいから、40代になるまで、それを裏切られたと思うこともなかったし、そういう形のものが存在していることを信じてもいた(残念ながら、ある時期を境に、信じられなくもなっているのだけれど、また別の形のものがあるかもしれないという思いもあったりするけれど)。
家庭生活のことは私にはわからないけれども(友人や地域や学校の人間関係というものも、最近では“わからない”ことになってしまった)、仕事や、共通の基盤を持つ“仲間”同士の信頼関係というのは、大切という言葉では表すことができない、ある意味で、それを基盤に物事が成立しているので、それ無しではなにもできないに等しい。
だけど、目の当たりにそれを見せられると、けっこう感動する。
音楽の場、とかは特に。
ちょうどあの日、東京の某オーケストラに用事があって、上野に行っていた(<どこだかまるわかり・笑)。
事務局がバタバタしてるな~~というのは後になって思ったことだ。
リハーサルをやっているはず(翌々日が定期演奏会なのである)なのに、皆さん、居ない。
あとで聞いたら、「指揮者急病により、リハーサル中止!」なのだという。
どどどどうすんだよ、本番まで、あと1日しかないのに!?
ヒトゴトながら心配をした。……ところで、実際は“ヒトゴト”ではないのですね、私はその演奏会のチケットを持っており、その“急病で”降板した指揮者のファンでもあり、その某オーケストラとの初共演を楽しみにしていたクチなのである。
「え゛~~(;_;)」しどい。
と思いましたよ。えぇ。
当日まで迷いましたが、とりあえずはその日、お仕事したお相手への義理もあり、どうなるか楽しみもないわけではなく。しかも「完売公演」だったんですね。事務局やコンマスが青い顔していらしたのもわかろうというものです。
結果、、、
最初に書きましたように、たいへんな名演でした(<個人的感想)。
そうしてメインのチャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」が終わったあとの、客席の盛り上がりぶりも凄かった。叫んでいるとかいうのではないんですが、拍手が鳴り止まない。熱心なブラボーが飛び、誰もがその日、指揮台に立ったK泉さんと都響(なのです)の演奏を称えていたと思います。
何度目かのアンコールに答えて登場し、礼を繰り返す指揮者に、楽員から惜しみない拍手が送られ、誰の顔も、喜びと安堵に満ちていた。
逆境の時にでも、そういう時こそ、団結力と集中力で素晴らしい演奏を聴かせるのが此処のオーケストラです。そこのレジデンス・コンダクターとして、長い歴史を共にしてきた互いへの信頼関係がある。
実際、彼はもう少し昔なら、私はあまり興味のもてる指揮者ではありませんでした。ただ、現在はとてもよい。素晴らしいと思います。
この日、前半のプログラムが変更されました。元々はリヒャルト=シュトラウス:組曲「薔薇の騎士」
これを、ベートーヴェン:「エグモント」序曲&ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と「愛の死」
ぞくっとするような演奏でしたよ。最初にg-mollの和音の鳴ったベートーヴェン。
良いものを聴き、アクシデントとライブそのものの“瞬間”を。指揮者とオーケストラの間にある言葉にならない信頼というものを、しみじみ感じたコンサートだったと思うのです。
家庭生活のことは私にはわからないけれども(友人や地域や学校の人間関係というものも、最近では“わからない”ことになってしまった)、仕事や、共通の基盤を持つ“仲間”同士の信頼関係というのは、大切という言葉では表すことができない、ある意味で、それを基盤に物事が成立しているので、それ無しではなにもできないに等しい。
だけど、目の当たりにそれを見せられると、けっこう感動する。
音楽の場、とかは特に。
ちょうどあの日、東京の某オーケストラに用事があって、上野に行っていた(<どこだかまるわかり・笑)。
事務局がバタバタしてるな~~というのは後になって思ったことだ。
リハーサルをやっているはず(翌々日が定期演奏会なのである)なのに、皆さん、居ない。
あとで聞いたら、「指揮者急病により、リハーサル中止!」なのだという。
どどどどうすんだよ、本番まで、あと1日しかないのに!?
ヒトゴトながら心配をした。……ところで、実際は“ヒトゴト”ではないのですね、私はその演奏会のチケットを持っており、その“急病で”降板した指揮者のファンでもあり、その某オーケストラとの初共演を楽しみにしていたクチなのである。
「え゛~~(;_;)」しどい。
と思いましたよ。えぇ。
当日まで迷いましたが、とりあえずはその日、お仕事したお相手への義理もあり、どうなるか楽しみもないわけではなく。しかも「完売公演」だったんですね。事務局やコンマスが青い顔していらしたのもわかろうというものです。
結果、、、
最初に書きましたように、たいへんな名演でした(<個人的感想)。
そうしてメインのチャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」が終わったあとの、客席の盛り上がりぶりも凄かった。叫んでいるとかいうのではないんですが、拍手が鳴り止まない。熱心なブラボーが飛び、誰もがその日、指揮台に立ったK泉さんと都響(なのです)の演奏を称えていたと思います。
何度目かのアンコールに答えて登場し、礼を繰り返す指揮者に、楽員から惜しみない拍手が送られ、誰の顔も、喜びと安堵に満ちていた。
逆境の時にでも、そういう時こそ、団結力と集中力で素晴らしい演奏を聴かせるのが此処のオーケストラです。そこのレジデンス・コンダクターとして、長い歴史を共にしてきた互いへの信頼関係がある。
実際、彼はもう少し昔なら、私はあまり興味のもてる指揮者ではありませんでした。ただ、現在はとてもよい。素晴らしいと思います。
この日、前半のプログラムが変更されました。元々はリヒャルト=シュトラウス:組曲「薔薇の騎士」
これを、ベートーヴェン:「エグモント」序曲&ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と「愛の死」
ぞくっとするような演奏でしたよ。最初にg-mollの和音の鳴ったベートーヴェン。
良いものを聴き、アクシデントとライブそのものの“瞬間”を。指揮者とオーケストラの間にある言葉にならない信頼というものを、しみじみ感じたコンサートだったと思うのです。