ヤマト2199・第四章/その4 ヤマト2199の原罪
大島渚(映画)監督が亡くなられた。
けっして若くはないが、年寄りすぎるというわけでもない。ワタシたち年代にとっては『愛のコリーダ』の人、という印象が強く、それ以降のテレビ人間にとっては「朝まで生テレビ」の人、というイメージがあったかもしれない。ものすごい人だった、、、と私のような門外漢でも思っている。
尊敬していたというほどには知らないし、好みの方向も違っているので、作品も観ていない。
それでも伝わってくる存在感、この人がいたかどうかで違ってしまう(映画の)世界。そんな存在を失くしていく。時間は過ぎていく。……生まれ、功績と作品を残していかれたことに感謝と、ご冥福を祈りたい。
・・・
さて謎がどうこう、キャラがどうこう、という前に、「ヤマト」って? という話をしたいじゃないか。
元々自分は、“キャラ萌え”ではなかったのだし。えぇもちろん島航海長は好きでしたとも。でも古代も愛すべきオトコだと思ってきたし(実際、私の話はそんなんばっかりや)、あらゆるキャラに対して愛情はあり、「みぃんな好き♪」だったわけで、「~班」てものそのものが、あまりそぐわなかった身でしたから。
ヤマトという艦(ふね)が好きで、それに乗りたかった。
実写版だけだよなぁ、一般が志願できたのは(<笑 だけど、なんか技能がないとダメなのねぇ、楽器が演奏できてもだめでしょうか(笑)(をい)。家事能力ゼロだしな(ってまぁ普通な生活レベルのことはできますけど。料理も。)、、、てんてん。
『ヤマト2199』の、原作(と敢えて言っちゃうぞ、こうなったら)、と大きく異なる筋が、“このヤマト”には存在する。それが第三章の終わりでガミラス人の捕虜・ディッツ少尉により投げかけられ、第四章で明らかになる事実。。。以下、ネタバレなので[続きを読む…]へ。
4)ヤマトの原罪・地球人の正義
けっして若くはないが、年寄りすぎるというわけでもない。ワタシたち年代にとっては『愛のコリーダ』の人、という印象が強く、それ以降のテレビ人間にとっては「朝まで生テレビ」の人、というイメージがあったかもしれない。ものすごい人だった、、、と私のような門外漢でも思っている。
尊敬していたというほどには知らないし、好みの方向も違っているので、作品も観ていない。
それでも伝わってくる存在感、この人がいたかどうかで違ってしまう(映画の)世界。そんな存在を失くしていく。時間は過ぎていく。……生まれ、功績と作品を残していかれたことに感謝と、ご冥福を祈りたい。
・・・
さて謎がどうこう、キャラがどうこう、という前に、「ヤマト」って? という話をしたいじゃないか。
元々自分は、“キャラ萌え”ではなかったのだし。えぇもちろん島航海長は好きでしたとも。でも古代も愛すべきオトコだと思ってきたし(実際、私の話はそんなんばっかりや)、あらゆるキャラに対して愛情はあり、「みぃんな好き♪」だったわけで、「~班」てものそのものが、あまりそぐわなかった身でしたから。
ヤマトという艦(ふね)が好きで、それに乗りたかった。
実写版だけだよなぁ、一般が志願できたのは(<笑 だけど、なんか技能がないとダメなのねぇ、楽器が演奏できてもだめでしょうか(笑)(をい)。家事能力ゼロだしな(ってまぁ普通な生活レベルのことはできますけど。料理も。)、、、てんてん。
『ヤマト2199』の、原作(と敢えて言っちゃうぞ、こうなったら)、と大きく異なる筋が、“このヤマト”には存在する。それが第三章の終わりでガミラス人の捕虜・ディッツ少尉により投げかけられ、第四章で明らかになる事実。。。以下、ネタバレなので[続きを読む…]へ。
4)ヤマトの原罪・地球人の正義
ヤマトは重い使命を持っているし、名誉と規律を重んじる、きちんとした集団だ……、、、と“理想主義”のコダイススムは思っている(笑)。いや、信じているし、信じようとしているから、「ヤマトにはそんな人間は居ません!」と言って、真田副長に苦笑される結果になる(くすっ)。
まぁ事はヤマトの問題ではないな。
昔のアニメは単純で、勧善懲悪だった。現代では、“戦うこと”に意味を見出さないといけない。これは考えてみれば当たり前のことだ。
『E.T.』とかそのあたりなのだろうか、異人種とか、異星人だとかとの接近遭遇に関して、理解しあえるのか?というのが一番の争点。無防備で近づいた処を噛みつかれて、徹底的な打撃をこうむることは避けたい。地球へやってくる者たちは、明らかに地球に比べ、宇宙を航行し、此処へ派遣するだけの科学力を持っている、より高等な文明だと考えられてきた。
旧作では、ガミラスは突然やってくる。いきなり遊星爆弾を降らせ、地球を惑星ごと破壊し、改造してしまおうとしている。
『2199』のガミラスはそうではないらしい。ガミラスフォーミングした環境の中、(どうやら母国も硫酸の海や天井都市ではなさそうである)地球型文明を築いているようだ。
そこに“先制攻撃”を仕掛ける、ということはどういうことか。
戦いの本質的な意味を、問いかけることになる。
もちろん【結果として】、あそこで先制攻撃を仕掛けなかったとしても、ガミラスは、メルダが言うように、【服従か、殲滅か】を迫る武力国家であり、そうやって植民地を作り、版図を拡げてきた星間国家だ。だから地球の取るべき道は、二つに一つだった。だが「先に攻撃を仕掛けた」、、、これが、相手がイスカンダルだったら? そしてその事実を、イスカンダル=スターシャは、知っているのだろうか?
物語の中で描かれているのは、「ムラサメ艦=島大吾艦長 が、地球防衛軍本部の決定に従って、先制攻撃を仕掛けた」ということと、「沖田提督は勧告に従わず、その場で解任され、指揮権を持たなかった」という事実。
それによって、子息・島大介は、「父親の名誉を汚された」と悩み、古代進は、「(総責任者には)命令に背いても人として正しいと思うことをする」という道もあることを知らされる。
この描き方は絶妙で、艦内の人間関係や、互いの立ち位置、自身の置かれた立場なども描いてみせた。
けれど、ですよ。
これだけで、終わってよいはずはないですよね。
【ヤマトの世界】を、もしかしたら根柢からひっくり返す、テーゼなんすよ? いいのか!?
まぁでもとてもとてもありがちな話ではある。
いまでも、まぁやる可能性十分ですな、こういう立場の方々は。
もちろん、“仕掛けないこと”というのはもっと勇気がいる。そのまま、撃滅されたり拿捕される可能性もあるのだから。
『2199』のヤマトは、原罪を背負った艦である。
旧作の持っていた、ある種の“哀しみ”。それが現作に感じられないのは、時代の経過と、作っている我々世代がすでに、“戦争を知らない”世代だということ。だからそこに投げ込まれた、重い重い【くさび】だと、私は思い、それには共感しているのだ。
ガミラスの描き方の変化は、もちろん、敵が面白いほどに物語は膨らむ、というのはあるのだけれど。
けっしてそれだけではなく、ガミラスを地球=ヤマトと“対等”に置くことで、この先の、精神的な戦いが変わっていくのではないか。そしてイスカンダル、、、超・怪しい。あんたたちの目的は何っすか!? と思わず聞きたくなります。まぁいいんですけどね、コスモクリーナー(じゃなくてなんだっけ)をくれれば。はい、参ります。
そうしてこの時、抱えた命題こそが、この先、艦長代理になるであろう古代を(副長のままなのかな? 真田さん)、ヤマトを、地球防衛軍そのものから別の存在にしていくんじゃないかいなー、と、その先まで考えてしまうんですねぇ。何故なら、この秘密は、早晩、ヒミツではなくなるでしょう。ヤマト艦内で知らない者はなくなっていくような気がする。
士官連中がそんなに口が軽いとは思わないけれども、現に、機関室とかヤバいでしょう。鑑底から広がったら、誰も止められないですしね。案外、意図して広めるヤツとかもいそうじゃないかい。
とまぁ長々と書いてしまいましたが、次は「ガミラス・愛」について書いてみたいと思います(_ _)。
まぁ事はヤマトの問題ではないな。
昔のアニメは単純で、勧善懲悪だった。現代では、“戦うこと”に意味を見出さないといけない。これは考えてみれば当たり前のことだ。
『E.T.』とかそのあたりなのだろうか、異人種とか、異星人だとかとの接近遭遇に関して、理解しあえるのか?というのが一番の争点。無防備で近づいた処を噛みつかれて、徹底的な打撃をこうむることは避けたい。地球へやってくる者たちは、明らかに地球に比べ、宇宙を航行し、此処へ派遣するだけの科学力を持っている、より高等な文明だと考えられてきた。
旧作では、ガミラスは突然やってくる。いきなり遊星爆弾を降らせ、地球を惑星ごと破壊し、改造してしまおうとしている。
『2199』のガミラスはそうではないらしい。ガミラスフォーミングした環境の中、(どうやら母国も硫酸の海や天井都市ではなさそうである)地球型文明を築いているようだ。
そこに“先制攻撃”を仕掛ける、ということはどういうことか。
戦いの本質的な意味を、問いかけることになる。
もちろん【結果として】、あそこで先制攻撃を仕掛けなかったとしても、ガミラスは、メルダが言うように、【服従か、殲滅か】を迫る武力国家であり、そうやって植民地を作り、版図を拡げてきた星間国家だ。だから地球の取るべき道は、二つに一つだった。だが「先に攻撃を仕掛けた」、、、これが、相手がイスカンダルだったら? そしてその事実を、イスカンダル=スターシャは、知っているのだろうか?
物語の中で描かれているのは、「ムラサメ艦=島大吾艦長 が、地球防衛軍本部の決定に従って、先制攻撃を仕掛けた」ということと、「沖田提督は勧告に従わず、その場で解任され、指揮権を持たなかった」という事実。
それによって、子息・島大介は、「父親の名誉を汚された」と悩み、古代進は、「(総責任者には)命令に背いても人として正しいと思うことをする」という道もあることを知らされる。
この描き方は絶妙で、艦内の人間関係や、互いの立ち位置、自身の置かれた立場なども描いてみせた。
けれど、ですよ。
これだけで、終わってよいはずはないですよね。
【ヤマトの世界】を、もしかしたら根柢からひっくり返す、テーゼなんすよ? いいのか!?
まぁでもとてもとてもありがちな話ではある。
いまでも、まぁやる可能性十分ですな、こういう立場の方々は。
もちろん、“仕掛けないこと”というのはもっと勇気がいる。そのまま、撃滅されたり拿捕される可能性もあるのだから。
『2199』のヤマトは、原罪を背負った艦である。
旧作の持っていた、ある種の“哀しみ”。それが現作に感じられないのは、時代の経過と、作っている我々世代がすでに、“戦争を知らない”世代だということ。だからそこに投げ込まれた、重い重い【くさび】だと、私は思い、それには共感しているのだ。
ガミラスの描き方の変化は、もちろん、敵が面白いほどに物語は膨らむ、というのはあるのだけれど。
けっしてそれだけではなく、ガミラスを地球=ヤマトと“対等”に置くことで、この先の、精神的な戦いが変わっていくのではないか。そしてイスカンダル、、、超・怪しい。あんたたちの目的は何っすか!? と思わず聞きたくなります。まぁいいんですけどね、コスモクリーナー(じゃなくてなんだっけ)をくれれば。はい、参ります。
そうしてこの時、抱えた命題こそが、この先、艦長代理になるであろう古代を(副長のままなのかな? 真田さん)、ヤマトを、地球防衛軍そのものから別の存在にしていくんじゃないかいなー、と、その先まで考えてしまうんですねぇ。何故なら、この秘密は、早晩、ヒミツではなくなるでしょう。ヤマト艦内で知らない者はなくなっていくような気がする。
士官連中がそんなに口が軽いとは思わないけれども、現に、機関室とかヤバいでしょう。鑑底から広がったら、誰も止められないですしね。案外、意図して広めるヤツとかもいそうじゃないかい。
とまぁ長々と書いてしまいましたが、次は「ガミラス・愛」について書いてみたいと思います(_ _)。