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2014_05
17
(Sat)21:18

よもやま話/終わらない進化と若さ

 明日から、再び関西なので、焦っている。
 いろいろいろいろ溜まっているのに、身体が思うように動かないなぁ(;_;)。回りの音楽関係者、なんだかみんな忙しい。クラシック音楽業界というのは、ともかくお金が無いのだけれども、仕事だけは山ほどあるみたいだ(泣)。

 ここのところが忙しい理由の一つが、いろんな人が来日したり帰国したりコンサートが多かったりする、というのがある。そういう月間でもないのに、なんでだろう? ひとつにはLFJの絡みもあるんだけど。
 来日中の一人に、90歳の有名ヴァイオリニストがいる。これがまた素晴らしい演奏家(現役で最高齢だそうだ。もう一人女性でいるのだけれど、その人はこの間の公演で少しドジをして、現役引退か!? という噂もありいます)。年配だけどこんな演奏をする。。。というのではない。ともかく圧倒的にすごいのです(技術が、という意味じゃないよ)。
 お茶目なじーさまで、女性が大好き。優しく、厳しく、そしてパワフルだ。
 その公開マスタークラス(選ばれた受講生が、ステージ上でレッスンを受けるのを、聴衆が見学するイベント。受講生が“ほにゃらら”だった場合、別名“公開処刑”とも呼ばれます・笑)を覗いてきた。いやまぁ凄いオーラだわ。なじみのファンを見つけては、「お前は見たことがあるなぁ? 何度か会ってるか?」など突然ステージの上から声をかけてしまったりする。トークも見事(英語だけどね)。

 数日後、別の演奏会の客席にいてびっくり。彼はよくそういうことをし、若い音楽仲間が公演をやっていると、ひょいと客席にいたりする。もちろん特殊なオーラを放っているので、すぐそれとわかるんですけど。昨日などは、あろうことか、サイン会に並んで(笑)「サプライズだよ」と片目をつぶってみせた。

 友人を大切にし、若い人に対しても尊敬を隠さない。飲みに行けば2時3時まで平気で居るのだとマネージャーがそのタフさに驚いていた。率先して人を笑わせ、彼が入るだけで和が和む。
 彼の“若さ”とエネルギーはどこから生まれるのか、どこまで行くのか。
 現在はパリに住むが生まれは建国前のイスラエルで、イスラエル人であることに誇りを持っている。戦火の中をくぐり、財産と言えば「ヴァイオリン1本」だと笑う。そうして世界中、どこへでも行くそうだ。3.11が起こった時、多くの外国人が放射能を恐れて来日をキャンセルする中、現地へ飛んでヴァイオリンを弾いた。そんな外国人は彼だけだ。
gitlismasterclass

                    ・・・

 別の日に、彼の若い仲間である別のヴァイオリニストと話す機会があった。
 こちらも有名なヴァイオリニストで、5月26日と6月7日にリサイタルがあるから、興味のある人は調べてみてほしい。
 彼は天才少年としてデビューし、14歳で、名伯楽といわれた師匠のところへ通うのをやめてしまった。それ以降は自分で学び、世界最高級の技術と音楽性を持つといわれた人だ。ところが一時期、肩の故障で戦線を離脱し、「再起不能か!?」といわれたのである。
 2年前に復活し、見違えるような演奏を聴かせるようになった。

 復活し生まれ変わった理由の一つは、ゆっくり休んだこと。その休んだ間に猛烈に勉強したことを挙げる。
 そうしてもう一つの理由として、「結婚したから」と真面目な顔をして言った。しかも尚も詳しく聞くと、「愛する者がいれば、戦うことができる」と、まるで古代進。彼は明るい顔をして、まじめにそう語るのである。う~ん、そうか。こちらが照れている場合ではない。
 音楽家には、時々こういう方がいらっしゃる。
 「愛は宇宙(は無理でも地球)を救う」と本気で思っているし、それを実現するために自分はできることをする、として日々ストイックに努力している。天才が努力するんだから、普通の人は追いつけないよ、ね。うん。

 と、オチはヤマトに持ってきてみました。
 (まとまらないまま、終わります)

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